野焼きは法律で禁止されています!

野焼きとは?

 適法な焼却施設以外で廃棄物(落ち葉、刈草、剪定枝、農作物残さ等)を燃やすことを「野焼き」といいます。

 野焼きは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃掃法」)」および「悪臭防止法」で原則、禁止されています。


野焼きの具体例は?

 野焼きに該当するのは、地面で直接焼却する場合だけではありません。

 ドラム缶・ブロック囲い・素掘りの穴・法で定められた基準を満たしていない焼却炉での焼却行為なども含まれます。

野焼きに罰則はあるの?

 野焼きをした人には5年以下の懲役、1,000万円以下の罰金のいずれか、または両方が科せれられます。(廃掃法第25条)

 

野焼きはなぜいけないの?

 草や木の野焼きであっても、その煙が悪臭や大気汚染(PM2.5など)の原因となるため、周辺住民の大変な迷惑となります。

 野焼きでは通常焼却温度が200~300度程度にしかならないため、ダイオキシン類、ホルムアルデヒド、ベンゾピレン、一酸化炭素などの有害物質を発生させ、人の健康や環境に悪影響を及ぼします。

 SDGsにおいては、2030年までに

  • (目標3.9)大気汚染による疾病の件数を大幅に減少させる
  • (目標11.6)廃棄物の管理に特別な注意を払い環境上の悪影響を軽減する

という目標達成のために、農業残渣の管理、野焼き禁止の厳格な執行が求められています。

(参考:環境省「アジア太平洋地域の大気汚染:科学に基づくソリューション・レポート」

さらに、 大気汚染が新型コロナ感染症を悪化させることも懸念されています。

(参考:PM2.5が新型コロナウイルスの細胞侵入口を拡大する

 

那珂市)野焼きは火災に繋がる可能性があるほか、新型コロナウイルス感染拡大防止策の一つである、「換気」が難しい状況になってしまいますので、絶対に行わないでください。

我孫子市)市街地・農家集落を問わず、周辺の生活環境に特段の配慮が必要とされますので、農業上の「野焼き」であっても自粛していただきますよう、ご理解とご協力をお願いいたします。

 

世界環境デー(2019)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ

大気汚染による死や病気は、私たちが肺に息を吸い込むたびに私たちの防御をかいくぐる小さな粒子によって引き起こされます。こうした粒子には、(略)屋外でのごみの焼却、山焼きや野焼き、(略)暖房用燃料の使用など、多くの発生源があります。

こうした大気汚染により、毎年約700万人が命を失っているほか、ぜんそくをはじめとする長期的な健康問題が生じたり、子どもの認知発達が阻害されたりしています。世界銀行によると、大気汚染が社会に及ぼすコストは年間5兆ドルを超えています。

大気汚染物質の中には、地球温暖化の原因となっているものも多くあります。黒色炭素はその一例です。ディーゼル・エンジンやごみの焼却、有害な料理用レンジによって生じる黒色炭素は、吸い込むと極めて危険です。このような汚染物質の排出を削減すれば、公衆衛生が改善するだけでなく、今後数十年間で地球温暖化を最大で0.5°C、軽減することができるでしょう。

 

野焼きへの苦情が寄せられています

 「煙の臭いが家の中まで入ってくる」「洗濯物が干せない」「煙でのどが痛い」「喘息で咳が止まらない」「頭痛や吐き気が止まらない」などといった苦情が寄せられています。
(⇒野焼き健康被害者の声こちらから投稿できます)

燃やす人は、「面倒くさい」「昔から燃やしてきたから」「自分一人くらいなら影響ないだろう」など、簡単に考えてしまうことが多いようです。

 

清瀬市)『昔からこうしていたし、特に苦情もなかったけど』といった考え方は、時代に応じて変えていく必要があります。

 

燃やさずに草木を処分する方法は?

 刈りとった草木や作物残さなどは有機物資源として堆肥やすき込みなど循環利用し、利用できないものはお住まいの自治体の指定する方法で適正処理する必要があります(廃掃法第2条および第3条、循環型社会形成推進基本法、バイオマス活用推進基本法)。

 

岩倉市)刈り取った枯れ草はその場で燃やさず、堆肥化させてください。

農水省)稲わら、野菜くず等の作物残さのたい肥、飼料等への再利用やほ場へのすき込みなどをしましょう。

環境省)野焼きはPM2.5濃度の上昇に影響を与える場合があるため、稲わら等を有効利用することによって、野焼きをやめましょう。
 

 

野焼きの「許可」はできません

 市役所に「野焼きをしたい」との申請をしても、廃掃法で禁止されているため、許可はできません。

 消防署への届出は、火災とまぎらわしい行為を消防機関が把握するための届出であって、野焼きを許可するものではありません。

 

焼却禁止の例外(廃掃法第16条の2第3号、同施行令第14条)

:ただし、重い罰則の例外であり、例外であっても処理基準を遵守しない焼却として改善命令、措置命令等の行政処分及び行政指導を行うことは可能である(衛環78号)

 

 <廃掃法第16条の2第3号>

公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの 

 

龍ヶ崎市)例外には,「軽微な場合」,「やむを得ない場合」,「必要な場合」という表現があり,その行為すべてが例外として認められているわけではありません。

福島市)例外に当たる焼却であっても、生活環境保全上の支障が生じる場合は、改善命令等の対象となり、これに従わない場合は処罰の対象となります。

    (法的根拠はこちら

糸魚川市)野焼き禁止の例外規定とされた行為であっても、その煙が周辺付近に著しく影響のある場合は、直ちに止めていただくよう指導を行います。

笠松町例外でも、煙の量やにおいなどが近隣の迷惑にならない軽微な野焼きにとどめてください。苦情が発生した場合は、直ちに焼却行為の中止をお願いします。

 

 

 <施行令第14条>

1.国や地方自治体が施設管理を行うために必要な場合…例)河川・道路管理上で必要となる草木等の焼却 など

旭川市)ボランティア活動などで河川や公園などを清掃し集められた草木などのゴミの焼却はできません。

 

2.災害の予防・応急対策・復旧のために必要な場合…例)災害などの応急対策、火災予防訓練 など

 

3.風俗習慣上・宗教上の行事を行うために必要な場合…例)どんと焼き、不要となったしめ縄・門松などを焚く行事 など

 

4.農業・林業・漁業でやむを得ず行われる廃棄物の焼却

  • 稲わらを燃やしても土中温度はほとんど上がらないので土壌殺菌効果は期待できません!
  • 稲わらを燃やしても雑草抑制効果はありません!
  • 病害虫の付いた作物残さは適正処理すれば燃やす必要はありません!

三条市「農業を営む上でやむを得ない場合」とは焼却する以外に有効な手段が無い場合であり、病害虫の大発生時などにおいて、農薬散布等より焼却を行う方が公益上で有効と判断される場合などが該当します。もみ殻燻炭焼きは、煙で生活環境に支障を来す場合は違法となります。

前橋市農業を営むための全ての焼却が該当するわけでなく、個別具体的な事情で「やむを得ないもの」と判断される場合のみ該当します。

魚沼市農業、林業をする上で、野焼きが絶対に必要な場合。それ以外は、農作業で出た枯れ枝や草木(公益性無し)でも燃やすと違反になります。

愛西市容易に代替方法がとれるものはやむを得ないものにはあたりません。

丹波篠山市)例外的に焼却するほか他に方法がないなど、農業林業を営むためやむを得ない場合にのみ、必要最小限の範囲で許容される場合があるに過ぎません。草刈りに代えての野焼きは認められていません。

帯広市農業上排出された豆がら、麦稈、長いも茎葉、ネットなどは堆肥として利用するか、廃棄物として処理業者などに依頼して適正に処理しましょう。

神栖市)ピーマンの木を焼却することは認められてません。 

船橋市)(梨の剪定枝について)剪定枝を清掃工場で受け入れていることからやむを得ない焼却には該当しないと判断しております。

PDFファイル「作物残さと畔の刈草を燃やす違法性について」(別ページで開く)

 

 

5.たき火その他日常生活で通常行われる場合で軽微なもの

例)暖をとるための焚き火、芋煮会(寒河江市)、焼き芋(ひたちなか市)、陶器作り(府中市)、土器づくり(各務原市)、風呂の湯沸かし(阿南市)、調理(人吉市)など

     (写真:たき火のイメージ)

 

天童市日常的に行っているものは軽微とは言えなくなります。

高浜市「軽微なもの」とする程度は、社会通念上「たき火」程度。

黒部市家庭から出るごみや剪定枝などについては市町村等に引き渡して処理を行うことが一般的であり、これらの野焼きについては日常生活を営む上でやむを得ず行われるものには当たらないことから、原則禁止されています。

瀬戸市)市民、事業者、神社、寺、自治会等の落ち葉、雑草の焼却は禁止されています。

狛江市)(キャンプファイヤー等の例外について)落ち葉や庭木の剪定枝が混入している場合は、焼却することはできません

 

畔の草は燃やして良いの?

 刈りとった草は堆肥などに活用し、利用できないものは廃棄物として適正に処理する必要があります。

 

小谷部市議会2020年12月)畦草は廃棄物として位置づけられるため、どうしてもやむを得ない事情がある場合を除いては野焼きの例外規定に該当しない

 

 面的に火入れを行う場合(芝焼き)は廃掃法の規制の及ばないところですが、その場合は森林法における火入れの手続きが必要です。

 森林法第21条に規定する「火入れ」とは、法に基づく目的のため、森林又は森林の周囲1キロメートルの範囲内にある原野、山岳、荒廃地その他の土地にある立木竹、雑草、堆積物等を面的に焼却する行為のことをいいます。

 

 火入れをする際は、事前に市長の許可が必要になります。(森林法第21条第1項)

 火入れの許可ができるのは、次の場合に限ります。

  1. 造林のための地ごしらえ
  2. 開墾準備
  3. 害虫駆除
  4. 焼畑
  5. 採草地の改良

 ただし、火入れによる害虫予防効果は判然とせず、環境や健康への負荷が大きいことから、適切な草刈などで病害虫を予防することが求められています。

(栃木県)「芝焼き」に代わる病害虫の防除方法について

 

 

(注)資料の自治体ホームページは毎年更新されるため、リンクが切れている場合があります。その場合、お手数ですが自治体ホームページ内の検索機能で「野焼き」と入力し再検索してください。

野焼きの被害にあったときは

 ほとんどの野焼きはやむを得ず行われている実態になく、適正な処理方法を怠り手っ取り早く燃やしているにすぎません。すなわち違法です。

 お住まいの地域の役所または警察(できれば110番)に出来るだけ早く通報しましょう。

 

 110番通報の仕方

  1. 被害に遭ったら現場の住所を確認してから110番にかける
    ※住所がわからなければわかる場所からの距離、方向、目印などを伝えましょう
  2. 「事件ですか、事故ですか」と聞かれるので、「野焼きの煙で困っている」ことを伝える
  3. 現場の詳細な場所を伝える
  4. 何を燃やしているか、人の有無など詳細を伝える
  5. 「警察官と立ち合いますか」と聞かれるので賛否を伝える
    ※自宅に来てもらっていろいろ話した方がメリットは大きいです
    ※警察官が自宅に来ると通報者が近所にばれる可能性もあるので注意
  6. 自分の名前を伝える(匿名でも可)
    ※守秘義務があるので相手に身元がばれる心配はありません
  7. 電話を切る

 地域の警察署に電話すると、自分の名前(漢字まで詳細に)や住所を聞かれて時間がかかる上に、電話番によっては「野焼きですかァ?」と鼻で笑われたりするので、110番の方が迅速かつ丁寧に対応してくれるのでお勧めです。

 

自治体や警察が適切に対応してくれない時は

 ほとんどの場合、警察などの指導を受ければ燃やさなくなりますが、ごくまれに、「風向きに気を付けて燃やして」と、野焼きを容認し、指導されない地域もあります。

 そんな時は当ホームページで野焼きの違法性について詳しく学習した上で、諦めずに何度でも通報しましょう。

 また、当会では環境省・農林水産省へ「野焼き原則禁止の周知徹底」を要望しています。

 環境省・農林水産省への署名活動はこちらをご覧ください。

 署名はインターネットで誰でも簡単にできますので皆様のご協力お願いします。

 

  下画像をクリック(署名ページに移動、署名は完了されません)