焼却禁止に関する法律

廃棄物処理法では、焼却禁止の例外規定について、次のように定められています。

 

第16条の2(焼却禁止の例外)

何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。

三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの

政令第14条

四 農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却

五 たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であつて軽微なもの

 

環境省通達「衛環78号」平成12年9月28日

七 農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却としては、農業者が行う稲わら等の焼却、林業者が行う伐採した枝条等の焼却、漁業者が行う漁網に付着した海産物の焼却などが考えられること。

 なお、生活環境の保全上著しい支障を生ずる廃ビニールの焼却はこれに含まれるものではないこと。

八 たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なものとしては、たき火、キャンプファイヤーなどを行う際の木くず等の焼却が考えられること。

 

環循適発第1709151号(平成29年9月15日)兵庫県警察本部長宛

『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2に関する疑義について(回答)』

稲わらの焼却は例示に過ぎず(概略)、やむを得ないもの(例外規定)に該当するか否かは、個別具体的事情の下において、地方公共団体において、法目的に照らして判断されるものである。

 

(解説)

焼却禁止には例外があるものの、廃棄物の適正処理は国民と事業者の責務となっています。

環境省からは廃棄物の適正処理について、多くの通達が出されており、生活環境を守るための廃棄物の適正処理についての重要性が書かれています。

 

廃棄物は生活環境を守るために適正処分することが大前提になっています。

 

では、農業のやむを得ない野焼き、たき火などの軽微なものとはどのような場合が考えられるのでしょうか。

「やむを得ない」とは、「他に方法が無くどうしようもない」という意味であり、病害虫の大発生などで農薬散布など他の方法よりも公益上有効な場合が考えられます。

 

兵庫県三田市では、野焼きの規制に対し、野焼きの必要性について農家から多くの声が寄せられました。

  • 長期間、刈り草を放置するとミミズが湧き、モグラの被害から畦畔を傷め、崩れの原因ともなる。
  • 刈り草の野外焼却は不要となっていますが、必要です。その理由は、そのままにしておくとミミズが多く発生し、それをモグラが食べに来て、畦畔が穴ぼこ状になり崩壊する危険性です。また、刈り草に虫が多く発生し、農産物に被害が出ます。 

農家の主張するほとんどの野焼きは、刈り取った雑草や作物残さを一カ所に集め焼却処分するものです。刈り取った雑草や作物残さは放置するから害虫などの問題が生じるのであって、放置せずに適正処理すれば害虫の問題は発生しません。これらは簡単に処分することが目的で、害虫駆除などのやむを得ない理由で行われている実態はありません。

適正処理の経費や手間を浮かせるための野焼きは「公益上やむを得ない」理由になりません。

 

次に、たき火などの軽微なものについてですが、廃棄物の適正処理の責務を考慮すれば、庭の落葉を含め、いかなる廃棄物も生活環境を守るために原則焼却禁止です。

「軽微だから燃やして良い」とする考えは、法第2条2及び第3条適正処理の責務に反します。

適正処理の責務と、例外規定、法目的を総合的に判断すると、キャンプ場のキャンプファイヤーや幼稚園の焼き芋大会など、生活環境に支障が無く、廃棄物処理を目的としない軽微なたき火だけが例外として認められるべきです。

例外であっても苦情があれば行政指導が出来ることが環境省からの通達で出されています。行政指導されても繰り返す場合は「悪質な不適切な焼却処分」として罰則を適用するべきです。そもそも、近所迷惑になっている時点で軽微な焚火ではないのだから、積極的に罰則を適用するべきです。

 

 

<まとめ>

 

廃棄物は適正処理することが国民の責務です。

公益上やむを得ない場合と、軽微な焚火だけが罰則の例外となります。

例外に該当するかどうかは法目的に照らし合わせて判断します。

 

法目的とは・・・

廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ること

 

つまり・・・

  • 再生利用が出来るか(堆肥、すき込み、敷材、燃料など)
  • 適正な処分が出来るか(指定ゴミ袋、処理場持ち込み、業者委託など)
  • 本当にやむを得ないか(他の方法が考えられるか)
  • 軽微な焚火であるか(適正処理せずに日常的に焼却処分しているか)
  • 生活環境が守られているか(苦情が発生しているか)

などを総合的に判断しなければなりません。

 

「草木の焼却処分はたき火だから良いんです」という理屈が認められるなら、法の秩序が崩壊してしまいます。

ほとんどの国民が庭の雑草等をゴミに出したり堆肥にしたり、適正処理の努力をしています。

一部の人間の身勝手な焼却行為により他人に被害が及ぶことなど許されません!

 

 

<やむを得ない例>

映画「風の谷のナウシカ」のワンシーンより

 

「だめだ こんな所まで菌糸が来ている」

「こっちもやられているぞ!」

「ああ ここも」

(大ババ) 「燃やすしかないよ

 

<軽微なたき火の例>

 

キャンプファイヤー

 

たき火のマナーを守りましょう