濃尾平野の北部から南部へ向けたバイオマス燃焼
由来粒子の移流による都市部の PM2.5 濃度上昇
エアロゾル研究 37(1), 45–56(2022)
名古屋市環境科学調査センター 池盛文数ほか
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/37/1/37_370115/_pdf/-char/ja
【論文概要】
野焼きが少ないと考えられる都市部においても、秋季には野焼きが原因の PM2.5 が上
昇するとの報告があるため、2016 年 12 月に濃尾平野南部(都市部・名古屋市南部)と北
部(郊外部・江南市)で PM2.5 を計測した。
最も PM2.5 が高かった際、バイオマス燃焼(野焼き)の指標になるレボグルコサン(セ
ルロースの熱分解物質)の PM2.5 に占める割合は、郊外部で 3 %超、都市部で 2 ~ 3 %
であり、郊外の野焼きの煙が都市部にもかなり流入していたことがわかった。
【当会による解説(清水)】
PM2.5 に占めるレボグルコサンの割合が 2 %とか 3 %という数字は、少ないと感じられ
るかも知れないが、野焼きの煙の成分の全てがレボグルコサンではなく、伏見の野焼きの
実験(2017)では、3.7 ~ 10 %、市川の野焼きの実験(2019 年)では 1.2 ~ 12 %であり、
けして少ない数字ではない。
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