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「野焼き禁止」強化が呼吸器疾患の低減に直結する


北大など、「野焼き禁止」強化が呼吸器疾患の低減に直結することを実証

国立環境研究所

https://tenbou.nies.go.jp/news/jnews/detail.php?i=33352 (2022.03.01)

 

【ホームページの概要】

タイで施行されている「厳正な野焼き禁止」によって「呼吸器疾患の受診数」が約 10

%低下したことを解明した。タイでは 2000 年代から「野焼きゼロ」キャンペーンが進め

られ、PM 濃度のさらなる低減を期待して 2016 年 5 月から大気質改善施策を推進してい

る。PM を指標とする環境政策評価は数多く報告されているが、PM に由来する健康被害

との直接の結びつきに関する調査研究が不足していることから、北海道大学、京都大学、

長崎大学のグループは、タイ北部 8 県における疫学研究の一環として、分割時系列解析と

いう疑似実験の手法を用いた評価を試みた。2014 ~ 2018 年の 1 月から 4 月を対象期間と

し、大気質改善施策の施行前(2014 ~ 2016 年)・施行後(2017 ~ 2018 年)における諸指

標(PM10 濃度、衛星画像により検出した野焼きホットスポットの件数、年齢調整した呼

吸器疾患受診数)の変化を、気候要因等の影響を除外する処理など行った上で推論した。

その結果、施行後に PM10 とホットスポット数の減少が認められ、大気汚染とは関連のな

い胃腸疾患受診者数は増加したにも関わらず、呼吸器疾患受診者数が約 10 %低下したこ

とが示唆された。

 

 

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