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「焼却(野焼き)」に関する苦情の傾向


総務省は、野焼きに関して相対的に苦情受付件数の多い 36 の自治体(1 県、35 市)を対象に、2023年 6 月 、野焼きに関する苦情の傾向についてオンライン又は電話によりヒアリング調査を行いました。

 

総務省「『焼却(野焼き)』に関する苦情の傾向」、機関誌「ちょうせい」第115号(2023.11)。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000913358.pdf

 

それによると、苦情を言う側に問題が有るという回答が多数を占めました。

 

苦情者を問題視する例

  • 昔から慣習的に野焼きをしている場所に新しく転居してきた人からの苦情が多い。(12頁)
  • 都市部では臭いということで、市民が権利を主張して、何とかしてほしいと言ってくる傾向がある。(13頁)
  • 以前は、野焼きは普通のことなので苦情にならなかった。今は、田畑が多い場所に野焼きを知らない方が転居してくる。元から住んでいる農業をしている方と転居してきた方とのコミュニケーションが無いと野焼きが理解できないので苦情を申し立てる傾向がある。(14頁)
  • 苦情者の感覚は、野焼き=全て悪であり、やむを得ない野焼きへの理解がなかなかされない。(16頁)
  • 周辺の農村地域では、野焼きの実情を知っているもともと住んでいた方からの苦情はない。外から転入した方たちが住んでいる分譲住宅地は苦情が増える傾向がある。(20頁)
  • これまで気にされていなかった野焼きがクレームになっている。わりと年配の方であれば気になってもクレームは言わないが、20 代から 40 代は直ぐに通報する印象がある。(26頁)
  • 「自然が多くて住みやすいところ」と聞いて外から転居してきたが、野焼きが行われており、住みやすくない、市の対応が悪いと、毎年、繰り返し苦情を言ってくる方がいる。(26〜27頁)
  • 住む前にどんな地域であるのかしっかり調べて、野焼きの状況も分った上で来てもらえると苦情が少なくなるが難しいところ。(27頁)
  • 小規模な野焼きが多く、被害はないが背景に近所トラブルがあると思われる苦情が多い。(27頁)

 

 苦情を言う側に問題が有るという背景には、野焼きは必要なものであり違反ではないとの誤認があるように思われます。

 

野焼きを違反ではないと誤認している例

  • 田舎では家庭菜園とか畑で野焼きをしていても堆肥になるということで苦情にならない。(13頁)
  • 昔から落ち葉は燃やしており、そういった地域に転居してきた方からの苦情が増えている。(14頁)
  • 秋は田んぼでの籾殻くん炭、蒸し焼き。虫の駆除と肥料になるので行われている。(17頁)
  • 4 月、5 月は田植えの前に耕して水を入れる前の雑草を取って燃やす時期。(17頁)
  • 他に方法がないため、高齢者が草、雑草、残渣を燃やしている。ゴミを焼却施設に持って行く、定期収集に出すことが負担になる方が野焼きをしている。(22頁)
  • 多くは農家ではなく敷地の広い住宅で、庭の樹木も多く、雑草も多いので焼却せざるを得ないケース。(22頁)
  • 農作業で発生する草などを燃やす行為がほとんど。大部分が例外規定に該当する野焼き。(23頁)
  • 豪雪地帯で雪で果樹の木の枝折れが多く、折れた枝や葉をまとめて燃やしている。法律上はやむを得ないものの、焼却に伴う煙が道路や家に来て迷惑という苦情が来る。(24頁)

 

以上により、野焼きの多い自治体では、野焼きを止めさせるための適切な指導が全く行われないため、野焼きが減少することはなく、いつまでも苦情件数が多くなっていると思われます。

 

適切な指導が行われない例

  • 焼却の時間帯の配慮を行為者に伝えて了承してもらっている。(25頁)
  • 野焼きの苦情は、そういったコミュニティと別の地域から転居して来た方が上手くやっていけるかがポイントだと思う。(27頁)
  • 話を聞いていて、譲るところは譲らないと逆にトラブルになると思ってしまう相談も多い。(27頁)
  • 当事者同士で直接話して妥協点を見つけられればよいが、お互いに問題があるケースもある。(27頁)
  • 苦情者には 24 時間換気システムを止めてもらうしかないと助言している。(28頁)

 

なお、野焼きが原則禁止であり廃棄物は適正処理しなければならないことは、別表に示した環境省の通知や裁判の判例などから明らかです。

野焼き被害改善のためには、野焼きが違反であることを行為者に説明し、繰り返すなど悪質な場合は罰則を適用するなど厳しい対応をする必要があります。

 

(別表)施行令14条4号、5号解釈の参考一覧(別ページで開く)

 http://noyakihigai.blog.jp/sekoureisheet.pdf

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コメント: 1
  • #1

    通報者 (金曜日, 12 1月 2024 14:39)

    2024年 令和6年 1月12日 今年になって 2件通報しました。神社で落ち葉焚き 農家の家庭菜園の草焼き。今日も2か所で野焼き 煙の量が少なかったのと、もう一か所は 火をつけた木が乾いてないので燃やすのを止めました、どちらも違法なんだけど通報はやめました。通報者が犯罪者にならないためどうしてこんなに気を利かせないといけないのか。