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廃材約1.1キログラム焼却 仙台高判平成22年6月1日


仙台高判平成22年6月1日判例集未掲載(平成22年(う)第5号)

http://www.law.tohoku.ac.jp/staging/wp-content/uploads/2022/03/vol10.05.pdf

 

1 判旨

 

現場の周辺には木材があり,型枠が炎を出して燃え,白煙が約5メートルの高さまで達していたのであるから,周辺の木材に火の粉が付くなどして延焼の危険が少なからず存在したといえる。そうすると,本件廃材の重量が約1.1キログラムと少量であり,焼却しようとした容器も小さいものであるものの,本件焼却が,たき火その他日常生活を営む上で行われる廃棄物の焼却ではない上,本件廃材から白煙が地上5メートルくらいまで立ち上がり,一面にうっすらと広がり,原判示の家屋新築工事現場周辺にも焦げ臭いにおいが漂っていたというのであるから,周辺地域への影響が軽微ということはできない。したがって,本件焼却は廃棄物処理法施行令14条5号に該当しない。

 

 

2 評釈(思いつくままメモ)

  • 白煙が広がり,焦げ臭い匂いが漂っていたのであれば,ほとんどの野焼きは軽微ではない
  • そもそも,廃棄物処理法の目的は,廃棄物の適正処理による生活環境の保全であるのだから,廃棄物を燃やして周囲に匂いが漂っていれば例外に該当しないのは当然である。
  • 廃材と落ち葉などの自然物を区別することはナンセンスである。
    • 廃棄物処理法が成立した当時は,自然物は無害と思われていたが,現在では,自然物燃焼で生じるPM2.5が有害であることは周知の事実である。
    • 落ち葉を燃やせば,乾いた廃材よりも大量の白煙が生じる。
    • むしろ落ち葉のほうが,周囲への影響が大きい。
    • 庭から出る落ち葉は,廃棄物として市町村はこれを収集する責務があり,国民は市町村の収集ルールに従う責務がある。
    • 敷地の広い田園地域では,大量の落ち葉が出て,ゴミ袋に入れて集積場に出す対象に馴染まないとする向きもあるが,敷地が広ければ,腐葉土づくりも容易にでき,家庭菜園や庭園に再利用できる。
    • 少量の廃材なら許可されなくて,大量の落ち葉が許可されるのは法の趣旨に反する。

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コメント: 1
  • #1

    通報者が犯罪者? (火曜日, 15 8月 2023 12:01)

    岡山県では野焼きの詳細な法律は国の文を写しただけだそうです。 
    しかし 岡山市は落ち葉焚きは禁止です。20年前の法律 もう少し具体的な例外を決めるべきでは?