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焼かない農家・2(京都府)


野焼きをしていない農家の方から野焼きによらない作物残さや雑草の処理方法をお聞きしました。

アンケートはこちら

https://forms.gle/cABjHzsvs5nPcmY1A

 

 

第二回は京都の「自然栽培を目指したこだわり農園(仮名)」様の回答を紹介します。

 

(画像は実際の農園の様子)

 

 

問1.農場の場所

  •  住宅が点在する田園地帯

 

問2.主に生産している作物

  • 路地栽培野菜、レタス、にんじんなど

 

問3.野焼きしない理由

  • 環境を守るため
  • 他人の健康を守るため
  • 自分と家族の健康を守るため
  • 生態系を守るため(益虫や微生物を守る)
  • 有機物を土づくりに利用しているため
  • 燃やす方が面倒、燃やさない方が楽
  • 火事を防ぐため
  • 適正処理は国民の責務だから(法の遵守)
  • はじめから燃やすという概念が無い(燃やさないのが当たり前)

 

問4.作物残さの処理方法

  • その場で自然に朽ちさせる

 

問5.圃場内の雑草の処理方法

  • 刈り取って(抜き取って)そのまま放置、または圃場内で適当に寄せ集めて放置
  • 雑草マルチとして利用

 

問6.圃場周り(畦畔や未利用地など)雑草の処理方法

  • 刈り取ってそのまま放置、または適当に寄せ集めて放置
  • 雑草マルチとして利用

 

問7.自宅の庭木や雑草の処理方法

  • 田畑の土づくりに利用している

 

問8.野焼きと病虫害(鳥獣害)についてどう思う?

  • 昔から野焼きしないのでわからない

 

問9.野焼きについて思うこと

  • とにかく周りの野焼きを中止させたいです。

 

※さらに取材により追加質問しました。

 

問10.「雑草を燃やさないと種が発芽する」という意見について

  • 確かに燃やせばその場所はアルカリ土壌になりますし、土中の種も燃えることで発芽はしなくなります。しかしながら露地栽培の場合、無数に雑草の種はどこからか飛散し、ゆくゆくは雑草は繁茂するかと思います。また、成長する環境が整わなければ雑草がはびこることはある程度防げると思います。
    知人の露地栽培・慣行農業の農家さんは、夏場雑草が生えるタイミングで、日中に浅く水を撒くことで、発芽したばかりの雑草が茹で上がる状況をつくることで(いわゆる殺し水)雑草の育成防除をされているそうです。
    燃やすことが絶対ではなく、工夫一つで改善できる方法はあるように思います。

 

問11.刈り取った雑草をそのまま放置するデメリットは?

  • 当畑ではデメリットに感じることはございません。
    自然農法を目指した栽培のため、むしろ刈り取った雑草を次の作物を植える前に畝の上に置く事で土中の有用な微生物、小さな昆虫などが活発になり、土中に空気孔が増え、土質は改善されるように思います。また、雑草が分解される過程で有機物が増え、雑草分解由来のミネラルも増えますので、良いことだらけです。
    植物は太陽光と水から色々な有機物を生成し、土中のミネラルをその体内に蓄えています。ですので雑草を刈り取ったものには有機物、ミネラルが豊富に含まれ、畑の栄養源となり次の作物の育成のため循環してくれると考えます。

 

問12.「すき込みや堆肥はイノシシに荒らされる」という意見について

  • イノシシの被害はあります。植えたばかりのニンニクが全滅したり、鹿に新芽を食べられたり。
    ですが、すき込みや堆肥そのものが影響しているとは考えていません。内容によります。すき込んだものがイノシシが好むようなカボチャなど野菜の不出来品だった場合や、イノシシにとって栄養価の高いミミズや土中の昆虫が増えるような方法であればイノシシたちは好んで狩場にすると思います。
    実際、当畑では植物堆肥を山のように積んでいる場所、枯草を積んでいる場所、畝間の歩道などありますが、イノシシは分別なく荒らします。
    被害を最低限に抑えるため、当畑では彼らが好まないもの(ハーブなど臭いのきついもの、リコリス、水仙など動物たちの毒になるもの)を選択的に植えることで被害を軽減しています。また、柵がある畑や車通りがある場所の畑では今のところイノシシの被害は生じていません。

 

問13.土づくりに利用できない廃棄物の処理は?

  • 大きいものですとジャイアントカボチャ(重さ10㎏とかになるコンテスト用のかぼちゃ)があります。当畑では約半年程度雨ざらしで置いておき、腐敗し土に戻りました。有機物は時間をかければ全て土に還るため、手間をかけずに放置しています。

 

問14.身の回りの野焼きにやむを得ない理由はあると思う?

  • 私どもの農法から考えると、野焼きは慣例的に行われているだけのように思います。規制が厳しくなり一切行えない状況になれば他の手段も選択できるように思います。

 

問15.自然栽培と異なる慣行農法の処理方法について

  • 慣行農法は化学的な知見、知識をもとに、農薬、化成肥料、除草剤、除菌剤などを選択して使用していくことで作物の育成をコントロールし収量を上げていく農法であると考えています。ですので自然栽培で必要とされる雑草は、慣行農法では作物より背が高く育つことで太陽光を遮ったり、施した化成肥料の効果を減らすことも考えられます。
    また、作物残さが発酵する過程で生じるような発酵熱、微生物や昆虫の増加が生じることで作物生育時の不安要素となりますので、不要なものであるということは理解できます。
    処理方法については、各々のご状況もあるかとは思いますが近年の農薬使用量の規制緩和や、グリホサートの人体への影響の話、また家庭ごみを一緒に燃やされることで生じるダイオキシン類の発生懸念を鑑みると、それらを含んだものを焼くことで周囲だけでなくご自身の体調にも影響が生じかねないと思います。ぜひ燃やさない方法、環境影響や健康への影響を考慮した選択を頂けると嬉しいです。

 

以上です。

追加の取材にご協力頂きありがとうございました。

 

実際の農家さんの声はとても参考になります。

アンケートは引き続き行っているので多くの方の回答お待ちしています。

 

アンケートはこちらです。

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