日本の農村地域では集落ごとに小さな神社やお寺がたくさんあります。
普段はひと気が無くひっそりしていますが、定期的に町内会で清掃をしたりして維持しています。
印西市では神社清掃で出た枯葉や小枝を野焼き処分している光景をよく目にします。
(画像:Googleストリートビュー、赤丸は野焼き跡)
神社や寺からでた枯葉や小枝は一般廃棄物であり、適正処理が求められます。
落葉焚きは認められるという意見もありますが、環境省の通達「衛環78号」に記載された焼却禁止の例外としては「たき火、キャンプファイヤーなどを行う際の木くず等の焼却」と書かれているのみで、「落葉焚き」とは書かれていません。
法律の趣旨、適正処理の責務、環境への影響等を総合的に判断すると、日常的に枯葉や小枝を焼却処分する行為は法律違反となる可能性が高いです。
徳島市ホームページには神社の野焼きは「例外に該当しない」と明記されています。
野焼き行為の禁止について:徳島市公式ウェブサイト (city.tokushima.tokushima.jp)
次のような場合は、焼却禁止の例外には該当しませんので、ご注意ください。
1. 家庭菜園から出た作物がらなどを焼却する場合
2. 農業者が自宅の庭から出た草や枝を畑で焼却する場合
3. 日常的な神社・寺院の清掃で出た落ち葉や枝を焼却する場合
印西市において、最近、神社で枯草火災がありました。
現場を見てきましたが、下草と境内の木が数本焼け焦げていました。
詳細は調べていないのですが、境内で草を焼却処分した火が燃え広がったものと思われます。
本殿に延焼しなかったのが不幸中の幸いでした。
野焼きによって火災が発生し、よそに延焼した場合、失火罪に問われる場合があります。
失火罪とは刑法116条に規定されている犯罪です。失火によって現住建造物等又は、他人所有の非現住建造物等を焼損した場合等に、50万円以下の罰金に処すると規定されています。
失火罪よりも重いものに、重過失失火罪があります。
重過失失火罪とは、ほんの少しでも注意しておけば回避できた失火に適用される罪です。失火罪よりも刑罰が重く、3年以下の禁錮または150万円以下の罰金と規定されています。
(記事引用:ベリーベスト法律事務所)
過失により,森林の火災を生じさせた場合の刑事罰もあります(森林法203条1項)。
法定刑は50万円以下の罰金と規定されています。
(記事引用:弁護士法人みずほ中央法律事務所)
こちらのチラシにも詳しく書かれています。
太田市消防本部チラシ
「たき火が原因の火災が多数発生しています!! 」
実際の判決事例です。
宮城県栗原市で竹を燃やした残り火の不始末で山火事を起こし、付近の家屋に燃え移らせたとして、重過失失火と森林法違反(森林失火)の罪に問われた栃木県下野市の会社員、S被告(58)に、仙台地裁は25日、禁錮2年、執行猶予3年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。
罪の適用は悪質かどうかが争点になりますが、何度も苦情を受けても繰り返す野焼きに対しては悪質と判断される可能性があります。
迷惑な野焼きは通報実績を作っておくと、万一の時に裁判で有利になりますので、どんどん通報してしまいましょう。
「煙が迷惑」の他に、「火事が怖い」と付け加えると良いかも。
失火した場合、火事の恐れがあると知りながら野焼きしたとして悪質と判断されます。
通報した詳細は日記に記録しておきましょう。
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