野焼き被害者の声
(編集あり:原文#11)
ここ最近、毎日どこかで野焼きをしている。
今朝も頭痛と煙たさで目覚めた。
その後頭痛は更に悪化し、酷い頭痛に苦しんだ。
窓を少しだけ開けてエアコンなしで寝たい!
気候がいいので、洗濯物を思いっきり外に干したい!
窓を開けて外の新鮮な空気を部屋に入れて換気したい!
いつ行われるかわからない野焼きのせいで
そんな当たり前の事ができないのです。
<本題>
稲わら焼きが収量と地力の低下をもたらすと前回書きました。
全く効果のない稲わら焼きですが、越冬害虫駆除の口実で野焼きを行う人もいます。
今回は越冬害虫について調べてみました。
(茨城県ホームぺージ参照)
【ヒメトビウンカ】(写真はこちら)
ウンカは越冬しないと聞きましたが、茨城県ホームページによると、「秋季はイネのヒコバエ(再生イネ)やイネ科雑草で生息し,再び越冬場所のイネ科雑草に移動する」と書かれています。
防除のポイント
- イネの収穫後は速やかに耕起し,ヒコバエ(再生イネ)やイネ科雑草を鋤き込む
- 冬季に畦畔や水田のイネ科雑草を防除し,越冬場所をなくす
【斑点米カメムシ類】(写真はこちら)
越冬場所は種によって異なる。茨城県の水田においては,クモヘリカメムシが最も多く発生する。クモヘリカメムシは山林で越冬し,イネ科雑草地等に生息した後,イネの出穂とともに水田へ移動,穂を吸汁,加害しながら葉や穂に産卵する。
防除のポイント
- 山林で越冬する(イネ科雑草の種も?)ので稲わら焼きは不要
- 出穂前までのイネ科雑草の管理が重要
【イネツトムシ(イチモンジセセリ)】(写真はこちら)
9月中旬~10月初めにかけて第3世代成虫がイネ科雑草(または稲のひこばえ)に産卵し,ふ化した幼虫はイネ科雑草内で越冬する
防除のポイント
- 秋耕(収穫直後)を行い,残渣及び雑草の早期腐植を誘導して,越冬場所及び増殖場所を撤去する
- 本田周辺(畦畔含む)雑草処理も,水田内に準じて行う。
【ニカメイガ】(写真はこちら)
老熟幼虫が稲ワラや刈株の中で越冬する。
防除のポイント
- 被害が多かった水田では,稲ワラを早期にすき込み,腐熟させる
【イネミズゾウムシ】(写真はこちら/長野県農業試験場)
越冬場所は雑木林や笹薮、水田畦畔などの落葉や枯草の下が多い
防除のポイント
- 冬季に畦畔のイネ科雑草を防除し,越冬場所をなくす
<考察>
稲の害虫は、稲わら・切り株・ひこばえで越冬するものが多いです。
収穫後すみやかにすき込むことで越冬場所をなくすことが重要です。すき込んでしまえば害虫は土中では生息できません。
カメムシ類は山林で越冬するものが多いです。
(過去記事「果樹のカメムシ-チャバネアオカメムシ-」参照)
山林で越冬するものは野焼きで防除できるはずがありません。
一部、イネ科雑草で越冬する害虫もいますが、冬季に畦畔や水田のイネ科雑草を防除し,越冬場所をなくすことが重要です。
さんざん雑草を生やして害虫を増やし野焼きで防除するより、適切な管理で越冬場所をなくすことが重要ということですね。
※ 畦畔雑草の管理方法によっては、在来野草を増やすことでイネ科雑草を減らし、害虫の発生を抑えることができます。また、生物多様性が豊かになり、天敵も増えるため害虫対策に有効です。この方法については後日紹介します。
適切な管理で害虫防除!
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なんで (金曜日, 13 11月 2020 07:14)
雑草刈った後や堆肥化する時、もちろん野焼きする時にしてもなんですが
なんで<集めて山>にしたがるんですかね?
刈った後集めて山にするのが一番の重労働だと思うんですよ
何故そこを省こうと思わないのか
だってそうでしょ?
春先の草は刈った後そこを畑として使うから、これはまだ分かる。
秋や冬口の草刈り、収穫したあとの残渣、集める必要有る?
堆肥化するにも山にするから下から徐々に腐って時間が掛かる
じゃあ山にせず平のままで置いとけばどうか?
冬場腐りにくいとしても凍っては乾燥を繰り返してりゃその内フリーズドライですよw
風で飛ばない様にってのも有るんでしょうけど焼いて撒き散らしてりゃ同じな訳で
常に同じ様にしないと気が済まない、時と場合なんて考えない
集団心理?同調圧力?それとも…。
あともう一つ (金曜日, 13 11月 2020 07:52)
職人って失敗しない」人の事だと思ってません?
失敗しない人間なんていないんですよ
そりゃ全く失敗しないならそれはすごい事ですが
実際には少々失敗してもうまい事軌道修正できる腕前が問われる
だってそうでしょ?
じゃ無けりゃ弟子が失敗した時にどうすれば良いか教える事も出来ない
一からやり直せってのは簡単だけどそうもいかない事の方が多い
何時もと違うって一緒にパニクってちゃ同レベル
農業なんてその主たる物ですよ
出来が悪いから一から作り直せったって無理な訳で
じゃあどうす軌道修正すれば良いか?
現代農業がそこが失われるんじゃないか
その場で臨機応変に対処するのが農業の醍醐味だと思うんですがね
ライン工場じゃないんだから一律作業として毎回同じ様にはむりなんですよ
なんでもかんでも焼きゃ良いってもんじゃないし
時と場合