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ゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチーム会議


環境大臣のブログより

昨日(2020/8/6)、第一回全国知事会「ゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチーム会議」が開催されました。

このプロジェクトチームは34都道府県が参加し、昨日の第一回はプロジェクトチームリーダーの長野県阿部知事をはじめ、11県の知事・副知事が出席し、私も約2時間、オンラインで意見交換を行いました。

会議の中では、それぞれの県でゼロカーボン実現に向けた様々な取り組みの発表があり、いずれも前向きで有意義なものでしたが、その中で、山形県の吉村知事によるゼロカーボン宣言が行われたことはサプライズでした。山形県では先日の豪雨被害に見舞われる中、改めて気候変動がもはや気候危機であるとの認識から、宣言に至ったとのことでした。

長野県の表明のきっかけは、昨年の千曲川の氾濫であり、今回の山形県は最上川の決壊と、改めて気候危機への対応は待ったなしだと痛感します。

山形県の宣言により、ゼロカーボンシティの宣言自治体は151、人口は7,115万人になりました。

もう一つ、長野県の阿部知事をはじめ、複数の知事から、国においても「2050年ゼロカーボン」への目標引き上げ、「エネルギー基本計画」における再生可能エネルギーの導入目標の引き上げなど、非常に前向きな意見をいただきました。

今後来月を目途に取りまとめられる予定の政策提言など、知事の皆さんからの声を、脱炭素社会の実現に向けた動きにしっかりと繋げていきます。

 

 

温暖化対策はエネルギー問題だけではなく、農業の対策も必要です。

野焼きを止めることで二酸化炭素の放出を抑制します。

作物残さや雑草は堆肥化することで炭素を土中に貯留します。

豊かな土壌は化学肥料や農薬の使用を減らすことが出来ます。

ゼロカーボンシティを宣言した自治体は直ちに野焼きを禁止して下さい。

 

温暖化と二酸化炭素の因果関係に否定的な意見もありますが(温暖化そのものに否定的な人も)、全ての温暖化対策は『持続可能な社会』の構築に必要不可欠なものです。

 

環境と人の健康に負荷を与えない方法は積極的に採用するべきです。

(画像:ゼロカーボンシティの宣言自治体)   https://www.env.go.jp/policy/zero_carbon_city/01_ponti_200806.pdf

 

さて、Facebookの小泉氏の投稿に野焼き煙害被害者の会として上記のコメントしたのですが、案の定、反論コメントがありました。

 

  • 野焼きでどれだけのCO2が出るのでしょう??
    食物残渣の堆肥化は賛成ですが雑草の堆肥化にはそっれなりのエネルギー消費が必要で、ためのCO2が出るのではないでしょうかね。
    何でもかんでも禁止では文化も守れませんよネ。
  • 教師『あれしてはイケマセン。これしてはイケマセン 』だと生徒の可能性が消えます。
  • 昆虫の卵も焼けるので野焼き効果ある。除草剤と殺虫剤は水道水に残りがんの原因になる。野焼き当日はファミレス等へ外出するといいと思う。地球温暖化は主に旧式の石炭火力発電所と次に自動車の排ガスが原因だと思う。
  • 田畑の野焼きは、害虫駆除や窒素を得る為にある程度は必要で窒素は植物や農作物に必要な栄養素なのです。農薬を使用して害虫駆除をする事は安全ではないのです。野焼きをして害虫駆除をし窒素などの栄養素を得て新たな新芽や若芽が芽生えます。

 

投稿者の経歴を見ると、農業とは全く関係ない人々の投稿でした。

日本人の感覚では、
「野焼き」=「害虫駆除」「伝統文化」
という認識なのでしょう。

そして

「野焼き反対」=「クレーマー」

と思われてしまいます。

野焼き禁止の賛同が広がらない理由の一つです。

役人や政治家さえもそう思っています。
心が折れかかりますが、頑張ります。

 

>雑草の堆肥化にはそれなりのエネルギー消費が必要

>地球温暖化は主に旧式の石炭火力発電所と次に自動車の排ガスが原因

 

作物残さの堆肥化(土壌の炭素貯留)は国際連合食糧農業機関(FAO)が認めた 有効な温暖化対策です。農水省は環境保全型農業の推進を通じ、土壌への有機物の施用を促進し、農地及び草地の土壌による炭素吸収量は、2014 年度において、656 万t-CO2となっています。

(参考)

土壌有機物の重要性(国連食糧農業機関)

土壌炭素の修復(Northeast Organic Farming Association)

痩せゆく土壌と弱体化する農作物(https://wired.jp/)

農林水産省地球温暖化対策計画(平成29年3月14日)

 

 

>昆虫の卵も焼けるので野焼き効果ある

>野焼きをして害虫駆除をし窒素などの栄養素を得て新たな新芽や若芽が芽生えます

>農薬を使用して害虫駆除をする事は安全ではない

 

多くの野焼きは害虫駆除のためではなく、作物残さや雑草の適正処理が面倒で手っ取り早く燃やされているにすぎません。

土中堆肥化資材を販売するリサール酵産社長のお言葉は胸に響きます。

 

「(よく見られる野焼きは)野焼き本来の目的とは全く異なり収穫後の不要になった残渣物 ( 廃棄物 ) の焼却処分であり、かたずけるのが すごく面倒なので手っ取り早く火をつけて燃やすという好ましくない行為であることを認識するべきだと思います。いくら 自分の田畑から出た物であってもその場で焼き捨てる道理はなく、周辺におよぶ悪影響は既にご承知のとおりです。

手塩にかけ大切に育てた作物、諸費用をかけて大きくさせた作物、収穫物以外の部位 〔 根・茎・葉 など 〕をその農地へ自然に戻してあげる手法こそが、環境に優しい最高の土づくりだとは思いませんか ?」

 

害虫は生きた草に集まるので、刈り取った雑草や作物残渣には害虫はいません。卵や病原菌は堆肥化することで死滅します。

稲わらや麦わらの野焼きには害虫予防効果が無いことは証明済みで、多くの自治体ではすき込みを促進しています。有機物を土壌に還元することで微生物が多く住む豊かな土壌になり、病虫害に強い作物が育ち、化学肥料や農薬の削減につながります。

野焼きに依存すると生物多様性を失い、害虫の天敵の減少を招きます。

「野焼きしないと農薬が増える」のは誤りで、環境保全型農業を営む人ほど作物残さや雑草を農地に還元しています。

(参考)

佐賀県・JAさが(焼かない農業普及会)

稲わらを焼かない指導(焼かない農業普及会)

焼かない方法(焼かない農業普及会)

 

 

>何でもかんでも禁止では文化も守れません

>『あれしてはイケマセン。これしてはイケマセン 』だと生徒の可能性が消えます

 

環境保護のために、みんなでルールを守ることは必要な事です。

・アイドリングをやめましょう

・レジ袋削減しましょう

・ゴミのポイ捨てやめましょう

・食べ残しを減らしましょう

・フライパンやお皿はふき取ってから洗いましょう

 

生活環境保全のためにもルールは必要です。

・深夜に騒ぐのはやめましょう

・路上駐車はやめましょう

・道路で遊ぶのはやめましょう

 

そして大気環境保全と生活環境保全のために、

「野焼きをやめましょう」

と求めています。

そもそも野焼きは法律でやむを得ない場合を除き禁止されています。

 

法律やマナーはみんなが快適に暮らせるように決められたものです。

 

(画像:弘文堂「こども六法/山崎 聡一郎 著」より」

 

あれもダメ、これもダメと言われても、子供は立派に成長しています。

むしろ、いま環境保護のために必死に声を上げているのは、グレタさんをはじめとした若い人達です。

 

ルールばかりで窮屈だと言う大人は、今までの自分の身勝手なふるまいがどれだけ環境に負荷を与え、人に迷惑をかけてきたか猛省して頂きたいです。

いちばん窮屈な思いをしているのは、野焼き被害で普通の生活を奪われた私たちの方です。