賛同呼びかけ

 

 野焼きと健康を考える会には、全国の市民から日常的に行われる農作物残さ野焼き・庭の落葉焚きの煙害による、喘息やアレルギーによる健康被害の報告が多数寄せられています。

 野焼きの煙にはPM2.5など多くの有害物質が含まれ、喘息、頭痛、吐き気、鼻炎などの健康被害をもたらし、休職に追い込まれたり転居を余儀なくされる場合もあります。喘息が悪化すれば救急搬送され、最悪死に至ることもあります。PM2.5は長期的な暴露で脳卒中や虚血性心疾患による死亡の原因になり、短期的暴露でも死亡率がわずかに上昇することが知られています。国連環境計画(UNEP)によれば、大気汚染に関連する病気や感染症で毎年約700万人が亡くなっており、大気汚染は気候変動とも密接に関連しています。

 

 作物残さや雑草等の有機物は燃やさずに土に還元すれば肥沃な土になり、病害虫に強い作物ができ、化学肥料や農薬の削減になります。肥沃な土は多くの炭素を含むことから温暖化対策としても非常に有効です。しかし、有機物を土に還元するわずかな手間を惜しみ、手っ取り早く焼却処分されているのが日本の野焼きの現状です。

 

 野焼きは生活環境を守るために、公益上やむを得ない場合などを除き、法律で禁止されています。しかし、多くの市町村では法律が全く守られていません。

 総務省の調査によれば、野焼きの苦情件数は年間1万件以上となっていますが、指導するはずの役所は本当にやむを得ない野焼きかどうか個別判断しようともせず、市民の苦情に対して改善する意思を示そうとしません。その結果、多くの市民が誰にも助けを求めることも出来ずに泣き寝入りしています。

 

 野焼き問題の解決のためには、環境学、農学、医学、法学、政治など各界の英知を結集し、社会に訴えていく必要があります。

 研究者、医師、弁護士、政治家などの専門知識をお持ちで、当会の活動に賛同頂けるかた、または、環境や健康に関する活動をしている団体は、名前、職種、コメントを添えてお問い合わせページよりご連絡ください。

 

野焼きと健康を考える会

会長 瀧聡

 

(写真:千葉県成田市の野焼き)