· 

ゾウムシ


『マイナビ農業』に畔の野焼きをする人の記事がありました。

 

「お米ライターの稲作農事暦 土作りから稲刈りまでの年間スケジュールは?」

 

あぜ草は、田んぼに水が入る前・田植え後は随時・出穂の1週間前まで・稲刈り前、のタイミングでそれぞれ刈ります。

 昔は刈った草を集めて家畜の餌にしていたそうです。今は使い道がないからといってあぜに放置しておくと、稲に虫がついてしまいます。刈った草は集めて燃やすことで、ゾウムシ対策になります。

 

 

 

燃やす人の言い訳「昔からやっていた」なんて嘘、昔は雑草も家畜のエサなどに利用していました。

 

ここで気になる「ゾウムシ対策」ですが、長いこと野焼きの記事を書いてきて、初めて稲の害虫のゾウムシを知りました。

ゾウムシといえばバラの害虫で知っていましたが、稲の根を食害するのがイネミズゾウムシです。

 

イネミズゾウムシ(参考:長野県農業試験場

  • 越冬場所は雑木林や笹薮、水田畦畔などの落葉や枯草の下が多い
  • 4月中旬頃から越冬地を脱出し、付近のイネ科雑草などを摂食
  • 田植が済むとすみやかに水田内へ歩行侵入し、苗を食害
  • 田植を6月中旬以降に遅らせると成虫の侵入量が減り被害を軽減
  • 成虫は水がないと産卵量が減るため、浅水管理する

 

畦畔の雑草を刈って放置すると枯草の下で越冬する場合もあるようです。

だからといってむやみに焼いて良い物でしょうか。

私が畦畔雑草の野焼きに疑問を投げかけるのは、焼かない人もたくさんいるからです。

私の地域でも、焼く所と全く焼いていない所があります。

新潟県の人の話しでは、刈りっぱなしの人が多いそうです。

静岡県では条例により畦畔の野焼きは原則禁止だそうです。

 

刈りっぱなしの枯れ草の下にはクモなどの天敵が生息しています。

春になればイネ科雑草めがけて雑木林などからも飛来します。

 

全ての害虫対策に共通していえるのは、

  • 天敵が生息しやすい環境を整える(生態系を豊かにする)
  • イネ科雑草を減らす

ことが重要です。

農薬を減らす代わりに野焼きするという人も多いですが、野焼きも農薬も環境と人の健康に悪影響を与える点で共通しています。

むしろ、野焼きの方が、喘息などで呼吸困難になり命の危機にさらされることから、農薬よりも危険といえます。

 

刈り草を放置すると害虫が増えるというなら、放置せずに回収して堆肥などに活用してください。

 

 

コメントをお書きください

コメント: 6
  • #1

    重い (土曜日, 21 11月 2020 05:56)

    やった事有る方なら分かるけど雑草も集まると相当の重さ
    集めて山にするだけで重労働なんですよ!

    え~そこで提案(^^;
    ますは雨の少ない時期を狙って刈って
    直ぐ集めるのではなくある程度乾いてから集めましょう
    軽く成ってるので集めるのも相当楽に成る筈です

    さて次にその余った分の体力を袋に詰めゴミステーション
    又は軽トラに乗せクリーンセンターに持ち込む事に使いましょう
    乾燥させ軽くなった分軽く成ってるので袋詰め運搬作業も楽に
    持ち込みで料金が発生する場合も軽くなってる分低料金で済む筈です

    一週間程度の放置乾燥で有れば問題に成る事も無く
    作付けの間の土休めと並行してやればその間ゆっくりできます
    勿論捨てるなんてもったいないと思うのであれば
    漉き込むなどすればいいでしょう
    乾燥させてる分分解も早いと思われます

    また件の害虫に関しても水田では無く野菜畑などで
    肥料化マルチ化するので有れば害は無いと思われます

    農業はひと手間と時と場合

  • #2

    原住民より移民が多くて困る (日曜日, 22 11月 2020 01:16)

    やめろーと言うだけでなく、こうすればいいのに、と言うだけまだましなもの。
    ただ、それを行う手間などを考えきれていないように思う。
    焼く人が居たとしても、関わらなければ問題にしないはず。ならどうして問題にするのかというと、元からあったものに自らわざわざ近づいて嫌なところを見るから。
    住み分けられていたのに、それを越えてきて文句を言うのは、モンスタークレーマー。

  • #3

    他人事 (日曜日, 22 11月 2020 10:36)

    原住民
    自分?の事をそんな言葉で表現するのは他人事なのかそれとも言葉を知らないのか

    以前話を聞いた農家の方も言ってましたよ
    手間掛ければそれだけ良いものができる
    野焼きすれば量を減らすのは楽だけどねぇって
    一日でやれば大変だけど一週間かけてやれば大した仕事じゃないって
    収穫期は待ってくれないから忙しいけど作付けからそこまでは自分のペースでやれるから

    そう言えばドラマの水戸黄門でなぜ前後編的な物が殆ど無いのかってお話
    自分ら年寄はいつ死ぬか分からないんだから話を次週持ち込みにしないで欲しいって投書が有ったとか無かったとか

    ドラマはともかく作物なんて一日で育つわけじゃないので
    ここで上げられてる野焼きが健康に与える害を学んで
    それらは野焼きの現場で周囲の人間以上に濃い煙を吸ってる自分達に先ず降りかかると理解して頂きたい

    ドラマの続きが気になるなら
    作物が育つまで農作業をしたいなら
    孫の顔をまた見たいなら

  • #4

    農業人口 (日曜日, 22 11月 2020 11:18)

    これも農業人口が増えない原因の一つかもね
    今時、事前情報でブラック企業が疑われる所は誰も行きたがらない
    もんく言って来る奴は皆クレーマーだ
    ○○やって何が悪い、お前もやれ
    煙が嫌だなんて奴は軟弱なだけ

    こんな会社嫌だもの

    鉄腕DASHとかみて農業やってみたいって人が居ても
    現実がこれじゃ根付かない

  • #5

    農業は自然との共存 (火曜日, 24 11月 2020 20:25)

    スズメwiki
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1

    稲の食害
    夏から秋にかけては稲に対する食害も起こす。しかし、農村地帯で繁殖するスズメは、稲にとっての害虫も食べるため、コメ農家にとっては総合的に益鳥の面が大きいともされる。

    一方ニュウナイスズメという別種のスズメは、繁殖期には森林または北方で繁殖し、夏の終わりから秋にかけて農村地帯に現れる。益鳥としての働きをしないので害鳥としての面が強いといわれている。この稲を食害するニュウナイスズメとスズメが、スズメとして一緒にくくられることで、スズメが必要以上に害鳥扱いされた可能性もある(ただし、理由はわかっていないが、ニュウナイスズメが大規模に農村地帯に出現することは現在ではほとんどなくなった)。

  • #6

    つまり (火曜日, 24 11月 2020 20:39)

    別記事のウンカも食ってくれるしこの記事のゾウムシにいたっても
    昔の様に屑米や籾でも少量撒いとけば寄ってきて
    ついでに虫まで食ってくれる
    じゃ無けりゃこんな長い事、農家とスズメが共存してないっつうね

    余談だけど近所の家に居たコウモリがおっぱわられたその年から
    明からに家の明りに誘われてくる夜間の蛾やその他虫が増えた
    その代わりそれを捕食するヤモリを見かける様に成ったんで
    自然がバランスとろうとしてるんだろうと思う