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焼畑農業


(注)この記事は公的根拠のない考察も含まれます

 

焼畑農業とは、山を焼き、畑を作り、再び山に還し、それを数十年単位で繰り返す日本の伝統農法の一つです。

宮崎県の椎葉村など限られた地域で行われています。

 

東南アジア等の野焼きは、酸性の強い土壌を中和する働きもありますが、日本の土壌はそれほど酸性が強くないので、中和の効果は定かではありません。

ちなみに、うちの菜園の酸度はPH6~6.5程度なので、中和せずともほとんどの作物が元気に育っています。

 

野焼きの苦情を言うと、伝統にクレーム入れる精神異常者と思われがちですが、私たちが問題している野焼きは、廃棄物処理のための野焼きです。

廃棄物処理の野焼きは法律違反であり、厳しく指導されるべきです。

 

よくある誹謗中傷が、

「野焼きの灰が肥料になり、芽吹きを促す」

というものです。

これについて考察してみます。

 

野焼きの灰など、カリ等の無機成分にすぎず、たいした肥料効果も望めません。

大規模草地野焼きの後に、芽吹きが促されると言われますが、野焼きしない草地でも立ち枯れした萱の隙間からたくましく次の芽が生えてきています。

貴重な植物が草地野焼きの後に生えるのは、単純に日当たりが良くなったからに過ぎません。

草地野焼きは土地を痩せさせるために行うといってもいいくらいです。

ススキは痩せた土地を好みます。

 

焼畑農業の場合、何十年も木が生い茂っていた森を焼き払います。

森の下には、枯葉や下草が何十年にもわたって堆積し、立派な腐葉土が出来上がっています。

焼畑農業が肥料にしているのは灰ではなく、これらの腐葉土なのです。

 

結局のところ、焼畑の目的は、森の腐葉土を効率よく利用するための異物除去であると思います。

 

また、「炭が微生物の住みかになる」という信仰もありますが、森の腐葉土にはたくさんの微生物がいます。

「炭が住みか」って、マンションみたいに夜は炭の中に帰って寝て、朝になったら炭から出て食事を探しに行くのでしょうか。

そんなバカな。

エサさえあれば微生物はそこに住み着いて24時間分解し続けます(たぶん)。

極端な粘土質の土壌に対しては、炭が適度に酸素と水分を保持するので、微生物が活動しやすくなることは否定しませんが、既に有機物が豊富で肥沃な土壌に炭は必要ありません。

 

もみ殻燻炭を利用する農法もありますが、生もみ殻を投入して毎年収量を上げている農家さんも大勢いるので、燻炭がそれほど効果があるとは思えません。

 

結論:灰や炭など無くても植物は普通に育ちます。

 

 

 

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コメント: 3
  • #1

    近所迷惑が農家の伝統 (火曜日, 25 8月 2020 08:18)

    >野焼きの苦情を言うと、伝統にクレーム入れる精神異常者と思われがちですが
    高度成長期の幼少期育った家が田んぼ傍の分譲地でした。
    当時の米は自己流通などなく自分達が食べる分以外は農協へ卸すのが当たり前でしたので、籾殻は農協が処分し籾焼き、燻炭にする様な所も無く。
    藁も農協で処分又は田にまいたり、今は黒ビニールが主流ですが畑のウネの保護に使ったり。
    そんな感じですので農業の野焼きと言う物には遭遇した記憶が有りません。
    そのかわり追肥代わりのレンゲの記憶がはっきりと有ります。

    と、ここまでは良い思い出の様に思われるでしょうがそれでは終わりません。
    昭和の時代から農家ってのは近所迷惑を大して考えず仕事をしていた様に思われます。
    と言うのが農薬散布です。
    毎年周辺への予告なども全くなく農薬を撒き始まるので慌てて窓を閉めてましたので。
    中学の頃には既にクラスメイトのヘアスプレーの臭いやリンスの臭い、8x4などのデオドラント系の臭いで頭痛がして授業に集中できなっており、当時はまだ花粉症ですらそれ程認知されておらず春風邪扱いで、化学物質過敏症なんて言葉すら無い時代、農薬がその原因の一旦だった可能性も有ると考えると実に腹立たしい気分です。

    そんな迷惑行為に対し昔からやってた?
    そうですね、そのとおりです。
    ですが「何も迷惑な事はしてない」これは間違ってます。
    行為が迷惑かどうかを迷行為をしてる者が判断して決められるなら何やっても良い事に成ります。
    迷惑かどうかを決めるのは周辺の人間です。
    法律に周辺への影響が~と有りますが影響があるか決められるのは書いて有る通り周辺の人間の方です。
    農薬を撒いたり野焼きしてる側の判断で勝手に決めるな!

  • #2

    追記 (火曜日, 25 8月 2020 08:34)

    良くも悪くも令和に成った今でも村社会なんでしょうね、井の蛙と言うか。
    集団の中で決めて集団の中で物事を決めて、他所は他所家は家。
    彼らの言う周りってのは所詮仲間内でしか無いので何やろうとお互い様で済ましてしまう。
    そこに外の人間が文句言って来るものだから受け入れられない。
    ほんと伝統と言う名の害悪。

  • #3

    チョコ (火曜日, 25 8月 2020 10:15)

    山形県でも野焼きは伝統行事になっているようです。全国各地で未だに行われていている現状ですね。


    今朝のmsnニュースに載っていました「炎天下で「焼き畑」火入れ 赤カブ種まきに汗 400年続く自然農法 山形」

    一年中野焼きしている印西市もこれからの季節は益々恐怖です。